水循環型営農推進運動(水田湛水事業)

熊本の地下水のしくみSTRUCTURE

日本一の地下水都市くまもと

熊本地域(※11市町村)は、水道水源のすべてを地下水でまかなっています。※11市町村 = 熊本市、宇土市、菊池市(旧旭志村、旧泗水町)、大津町、菊陽町、合志市、西原村、御船町、嘉島町、益城町、甲佐町

1地下水を育むしくみ

熊本の地下水を育むしくみには、世界有数のカルデラ火山「阿蘇」と土木の神様「加藤清正」が深く関わっています。
阿蘇の生み出した「自然のシステム」と、清正をはじめ先人の努力による「人の営みのシステム」が絶妙に組み合わさって、熊本の地下水はできているのです。

  • 阿蘇山約27万年から9万年前、阿蘇山は4回の大きな噴火を起こし、水を通しやすい熊本の大地を形成し、地下水をはぐくむ土台ができあがりました。
  • 加藤清正約420年前、加藤清正は白川中流域(大津町、菊陽町など)に多くの土木工事を行い、たくさんの水田が開かれました。このことで、水田から大量の水が地下に供給されるようになりました。

2水の循環

水の循環

白川中流域水田の役割ROLE

1水がたまる

白川中流域の水田は、県市共同で行った調査により、通常の田んぼの5~10倍もの水を地下に浸透させる能力があることが判明しています。このため「ザル田」と呼ばれています。

ふつうの田と白川中流域のざる田の浸透の違い
ふつうの田と白川中流域のざる田の浸透の違い

2水がうごく

白川中流域では年間約9千万m3の地下水を涵養し、熊本地域の大きな涵養域となっています。

地下水の流れ
地下水の流れ

3水をまもる

しかし、宅地化や工場進出などが進み、農地が減ったことが地下水減少の大きな要因となっています。地下水を守るためにも水田を守っていくことが大切です。

熊本地域の地下水かん養量の内訳
熊本地域の地下水かん養量の内訳
熊本の地下水を育む白川中流域の水田

水循環型営農推進運動のはじまりBEGINNING

熊本地域にとって水道水源となっている大切な地下水ですが、昭和から平成にかけて長期的に低下傾向にありました。そこで地下水涵養効果の高い白川中流域の水田で作物作付け期間外に一定期間水を張ってもらうことで地下水涵養を促進する取り組みに対する助成制度ができました。
また、水田へ水を一定期間張ることは、土壌病虫の駆除や連作障害防止の効果を発揮することがわかっており、地力の向上・農薬使用量の低減による経費削減のメリットや地下水汚染防止の効果があり、地元農家の協力のもと水循環型営農推進運動がはじまりました。

  • 営農上の効果

    営農上の効果
    ※白川の河川水はミネラルに富み、湛水によって土壌中の
    ミネラルがふえていくことがわかっています。
  • 事業の実績

    事業の実績

助成事業SUBSIDY

助成の対象

  • 白川中流域の6堰(畑井手堰・上井手堰・下井手堰・迫玉岡井手堰・津久礼堰・馬場楠井手堰)から取水される白川の河川水によってかんがいされる水田であること水田湛水は、営農の一環であること
  • 湛水期間は、夏期5月~10月、冬期11月~翌2月の期間に実施されること
  • 連続して15日以上120日の湛水であること

助成金額

湛水期間 助成額(10aあたり)
0.5ヶ月(15日以上) 16,000円
1ヶ月(30日以上) 19,000円
1.5ヶ月(45日以上) 22,000円
2ヶ月(60日以上) 25,000円
湛水期間 助成額(10aあたり)
2.5ヶ月(75日以上) 28,000円
3ヶ月(90日以上) 31,000円
3.5ヶ月(105日以上) 34,000円
4ヶ月(120日以上) 37,000円

助成対象となる湛水の方法

  • 作物(大豆、人参、麦、飼料作物、食用米など)の作付前、収穫後の湛水
  • 湛水開始7日以内に代かきを行うこと
  • 代かき状況の写真を提出すること
助成対象となる湛水の方法

水循環型営農推進運動実績RESULT

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