子ども資料館

「水土里ネット」って何?

『水土里ネット』は、土地改良区の愛称です。

土地改良区は農業生産を行うために農業用排水施設(頭首工・ダム・揚水機場など)の管理や、農地の整備(ほ場整備など)を目的にした農家の組織です。農作物を作るためには水は欠かせない存在なのです。そこで、田んぼや畑に水を引くために農業用水路などの整備・管理などを行っています。

このような農業用水路は、全国に40万kmと地球10周分になると言われ、約7000団体が整備や管理を行っています。

近年は、住宅が農地に建てられることにより、農業用水路は、農業以外にも利用されるようになりました。例えば、降った雨は宅地内では浸透しきれずに農業用水路に流れたり、防火用水としても利用されています。また、魚やホタルなどの生物の住みかにもなっているので、地域住民の癒しの場としても活躍しています。

このように、農業用排施設は様々な機能を果たしおり、土地改良区や農家だけに関係するのではありません。これからは、土地改良区、農家、そして地域住民一体となり、守り続けていくことが大切なのです。

農地の多面機能

田んぼはお米や野菜などの農作物を作るだけでなく、さまざまな働きがあります。その中でも、田んぼは自然を守ることだけでなく、皆さんの「命」を守ってくれる働きもあるのです。このような多面的機能は、農地が減ることによりその機能も低下していきます。みんなで農業についてもっと考え、未来へつなぐためにも守っていきたいものです。

田んぼは自然環境のサポーター

農地の多面機能

  • 洪水土砂くずれを防ぐ田んぼは雨水をいったんため、ゆっくり放出(蒸発や地下浸透(ちかしんとう))するので洪水や土砂くずれを防ぎます。
  • 気温を調節する 水蒸気を発散して、気温が上がるのをおさえ、環境負荷の除去・緩和(かんわ)になります。
  • 地下水をかん養する 田んぼに溜まった水は、地下浸透しその水を浄化しながらおいしい地下水となります。
  • 地盤(じばん)沈下(ちんか)を防ぐ 地下水と川の水の量のバランスをとりながら、雨水をゆっくり浸透(しんとう)させるので地盤(じばん)沈下(ちんか)を防ぎます。
  • 生物のすみかになる カエル・トンボ・ドジョウなどたくさんの生物がすんでいます。
  • 『水』と『土』の循環を守っていくことが大切なんだね

環境教育

小学校などので、農業用施設の役割について勉強したり、水路の清掃活動を行うなど環境教育の場として利用されています。

大津南小学校「クリーン南」下井手(とも井手)にて
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上井手頭首工にて
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