熊本県菊池郡大津町瀬田(大津町・菊陽町382haの水田を潤しています。)
熊本県の東部に位置する大津町・菊陽町の経済発展、生活用水として町民に親しまれてきた用水路である上井手は、元和4(1618)年に加藤忠広が着手し、寛永14(1637)年細川忠利により、19年の歳月を要して、堰・制水門、水路が開削されました。これにより、334haの美田が開かれ、水車を利用した製材所、精米所等に利用されるなど、大津町・菊陽町の経済発展に寄与しました。
私たちの食を支え、国土を守り美しい田園を形づくる農業用水(疏水)は、国民共有の資産です。疏水はこれまで農家の人々の共同活動によって守られてきましたが、農家の過疎化、高齢化が進むなか、疏水の保全管理が困難になってきています。
疏水についての理解を深め、国民全体でその保全活動に取り組み次世代へ継承していくための一貫として、一般の方々からの投票による「疏水百選」を選定しました。
一級河川黒川・白川河川流域に点在する土地改良区(31水土里ネット)と連携し、阿蘇の森林より生まれる清らかな水について重要性を認識し、下流域へ安定的な農業用水の供給及び未来へきれいな水を確保するため「水土里ネットの森」を造り環境保全活動(植樹)を推進していくことを目的としています。
水土里ネット役職員中心に関係行政やボランティア毎年200名近い参加者で、阿蘇山麓日の尾原野において6haに植樹3,000本を実施しています。植樹活動は平成17年度3月から始まり、年2回の下草刈りも水土里ネット役職員を中心として維持管理も行っています。
平成28年8月26、27日(金・土)の2日間阿蘇市一の宮町坂梨日の尾原野にて平成27年度第1回水源かん養林『水土里ネットの森』の下草刈りが行われました。例年は400名近くの参加者が草刈り作業を行いますが、今回は震災の影響により、土地改良関係者のみ(約180名)で下草刈りを行いました。
平成28年12月3日(土)『水土里ネットの森』にて参加者約280名による植樹が行われました。約2haにクヌギやイチョウの木など1,000本の苗木を植えました。